令和元年度 山近記念総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 0 13 31 53 126 225 524 980 764 192
 年齢構成で最も多いのは、70~79歳までの患者様で、全体の33.7%を占めます。
 次いで多いのは80~89歳までの患者様で、全体の26.3%。60歳以上の患者様の割合は全体の84.6%にのぼり、地域社会の高齢化を反映しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060040xx99x60x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍、化学療法あり(ベバシズマブ) 87 3.14 4.36 0.00 68.89
060035xx99x60x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍、化学療法あり(ベバシズマブ) 72 3.03 4.40 0.00 69.26
090010xx01x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの) 69 9.57 10.34 0.00 61.51
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 66 5.18 4.85 0.00 68.41
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 64 5.48 6.10 0.00 60.38
 診断群分類コード(DPCコード)が細分化されており、当院外科での取扱い患者様は、結腸・直腸癌の術後及び再発症例の抗がん剤治療症例が上位5つのうち2つを占める結果となりました。外科としての実態は、「主要手術別患者数」の項目で示されています。
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 42 19.21 12.58 2.38 78.83
0400801499x002 肺炎(市中肺炎かつ75歳以上)副傷病なし A-DROPスコア2 27 20.96 15.17 11.11 85.26
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 22 49.68 20.84 13.64 84.55
100380xxxxxxxx 脱水症 16 16.69 9.13 0.00 85.19
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 11 35.55 18.84 9.09 78.36
DPCコードによって細分化されてしまいますが、肺炎は上記とそれ以外を合計すると96になります。
 肺炎のA-DROPスコアは重症度を示しています。(0は軽症、1~2は中等症、3は重症、4~5は超重症)
 当院の内科に入院される患者様の傾向として、高齢者の呼吸器および尿路の感染症が多くなっています。そしてその中でも特に、誤嚥性肺炎の割合が多くなっています。誤嚥性肺炎はもともと日常生活が不自由な要介護の方に起こりやすいため、難治性で、リハビリなども含めた入院期間も長くなる傾向があります。
 一般に高齢者が入院されると、入院中に様々な合併症を起こしたり、臥床時間が長くなることでADLが大きく低下してしまい、リハビリを行っても自宅での元の生活に戻るのに時間がかかるというケースが多くなり、どうしても在院日数は長くなりがちです。
 こうした高齢者の入院症例をいかにADLを低下させずに自宅や施設に早く戻れるように治療していくかが今後の大きな課題です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈ステント留置術等 159 3.31 4.40 0.00 74.26
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル法 114 2.07 3.01 0.00 74.69
050130xx99000x 心不全 31 25.23 17.71 9.68 81.10
050030xx97000x 急性心筋梗塞 経皮的冠動脈ステント留置術等 17 13.06 12.37 0.00 71.82
050210xx97000x 頻脈性不整脈 14 10.21 10.80 0.00 82.64
 最も多いのは、狭心症などに対する心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈ステント留置術)を行っている症例です。
 次いで狭心症などに対する心臓カテーテル検査を行っている症例です。心臓カテーテル検査は、カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓まで通し、造影剤を注入して冠動脈を撮影する検査です。
 他に心不全や心臓弁膜症の症例も多くあります。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 骨折観血的手術、人工骨頭挿入術 21 35.62 25.94 4.76 79.05
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷 15 28.27 19.40 13.33 77.87
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節置換術等 - - 23.56 - -
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり - - 5.94 - -
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり - - 5.54 - -
 当科では、人工関節手術や外傷手術などの関節外科を専門としています。
 近年は地域住民の高齢化が進み、高齢者の転倒事故にみられる外傷、すなわち大腿骨近位部骨折や橈骨遠位端骨折などを数多く治療しています。
 また高齢者の外傷による脊椎圧迫骨折では、診断が遅れて脊柱変形が残存しやすいため、十分な診断や安静加療が行えず疼痛が残存し、難渋している方々が見受けられます。等科では積極的にMRIやCTを活用し、早期診断・最適な治療を心がけています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし ラジカット投与 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 36 14.25 16.13 2.78 74.08
010060x2990411 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし ラジカット投与 副傷病あり 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 18.24 - -
010030xx01x00x 未破裂脳動脈瘤 頚部クリッピング - - 15.07 - -
010060x2990400 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし ラジカット投与 副傷病なし 発症前Rankin Scale 3、4又は5 - - 19.06 - -
160100xx97x00x 慢性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - 9.67 - -
 DPCコードによって細分化されてしまいますが、脳梗塞は上記とそれ以外を合計すると72になります。
 最も多いのは、急性期脳梗塞の薬物治療で、脳保護療法や血栓溶解療法を行っている症例です。
 次いで脳動脈瘤(未破裂)、慢性硬膜下血腫となっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991x0x 前立腺の悪性腫瘍 前立腺針生検 64 3.09 2.49 0.00 71.77
110070xx02020x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道) 化学療法あり 33 5.97 7.25 0.00 72.61
110200xx02xxxx 前立腺肥大症 経尿道的前立腺手術 11 7.45 8.52 0.00 68.64
110420xx97xx0x 尿管狭窄を伴う水腎症 経尿道的尿管狭窄拡張術 - - 8.81 - -
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 - - 12.58 - -
 最も多いのは、前立腺癌の疑いのある場合に行う、前立腺針生検の検査入院です。
 次いで膀胱癌で手術を行っている症例が多いです。侵襲性の低い経尿道的手術、腹腔鏡下手術を行っています。他には前立腺肥大症、尿管狭窄を伴う水腎症などが多くなっています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 141 3.00 2.78 0.00 78.20
 眼科入院の方は、すべて白内障の手術を受けるために入院されています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 12 3 19 17 7 12 1 7
大腸癌 7 30 58 101 33 127 1 7
乳癌 43 50 17 2 7 18 1 7
肺癌 0 0 0 1 4 0 1 7
肝癌 0 0 1 2 3 2 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 延べ患者数としては大腸癌が最も多くなっています。
 次いで乳癌、胃癌となっており、乳癌は早期癌の症例が多いことが分かります。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 4 5.50 51.50
中等症 69 25.09 81.96
重症 14 45.07 84.00
超重症 5 46.60 86.60
不明 0 0.00 0.00
 当院の市中肺炎で入院される患者様は、高齢で中等症以上の方が多くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 81 28.69 77.59 14.81
その他 0 0.00 0.00 0.00
 脳梗塞の患者様は、発症日から3日以内に治療を受けられています。脳梗塞の急性期における治療では、迅速かつ適切な対応が必須となります。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術、腋窩部郭清を伴わないもの) 64 0.98 3.50 0.00 60.38
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 61 1.54 3.36 0.00 67.57
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 44 3.18 5.41 0.00 65.98
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 19 3.05 11.42 0.00 67.89
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(周囲膿瘍を伴わないもの) 18 0.06 2.94 0.00 33.67
 当院では大腸癌、乳癌、胃癌を始め胆石症、ヘルニアなどを多く手術しています。
 消化器内視鏡検査ならびに治療、消化器IVR(画像診断装置を利用して行う血管内治療)、内視鏡手術も積極的に行っております。
 当院では原則的に初診医が外来・検査・入院・手術・術後経過観察・術後化学療法の全てにおいて主治医となり、責任を持って一貫した治療を行うことを心がけております。
 乳癌の手術は、上記の術式と他の術式を合計すると126になります。
 手術の術式によって細分化されるため、上位5位に入ってない手術を補足すると、 
 胃癌は開腹手術と腹腔鏡手術の合計が18、大腸癌は開腹手術と腹腔鏡手術の合計が48になります。
 他には、下肢静脈瘤の血管内焼灼術(レーザー手術)、子宮筋腫の子宮動脈塞栓術(UAE)も数多く行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 136 0.57 2.29 0.00 73.95
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞) 22 0.00 13.55 0.00 70.86
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) 20 0.45 5.50 0.00 72.95
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他) 11 8.36 11.55 0.00 79.00
K597-2 ペースメーカー交換術 - - - - -
 上位3位は、狭心症、不安定狭心症、急性心筋梗塞に対してそれぞれ行う、心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈ステント留置術)です。これは、カテーテルと呼ばれる細い管を手首や足の付け根の動脈から心臓まで通し、冠動脈の狭窄や閉塞部分に対してバルーン(風船)やステント(網目状の金属製 の筒)を用いて病変部分を拡張し治療する方法です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿)(上腕) 15 3.73 26.07 0.00 78.00
K0462 骨折観血的手術(下腿)(前腕) 11 2.00 22.82 0.00 74.36
K0811 人工骨頭挿入術(股) 10 6.40 31.70 10.00 81.00
K0821 人工関節置換術(膝)(股) 10 2.10 24.60 10.00 76.70
K0463 骨折観血的手術(鎖骨)(膝蓋骨) - - - - -
 人工関節手術や外傷手術、さらにリウマチ性疾患による関節形成術/上下肢人工関節手術、外反母趾矯正術を始めとする足の外科手術、スポーツ整形外科手術にも力を入れています。特に人工膝関節、人工股関節手術はMIS(最小浸襲手術)で実施しており、変形により不良となった歩容状態を正常化するまで、徹底したリハビリテーションを行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 11 1.55 30.27 18.18 80.45
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) - - - - -
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) - - - - -
K1742 水頭症(シャント手術) - - - - -
 最も多いのは頭部外傷後の慢性硬膜下血腫に対する手術で、2位は脳動脈瘤のクリッピング術です。
 3位の動脈形成術、吻合術(バイパス手術)は、脳梗塞を治療する目的で行う、血流の少ない所の血管に、別の所から血管を持ってきて繋いであげることで、血流が不足している部位の血流を増やすというものです。
 
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 42 0.95 4.17 0.00 74.71
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用) 11 1.00 5.45 0.00 68.64
K783 経尿道的尿管狭窄拡張術 - - - - -
K800-2 経尿道的電気凝固術 - - - - -
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) - - - - -
 最も多いのは膀胱癌で手術を行っている症例です。侵襲性の低い経尿道的手術、腹腔鏡下手術を行っています。
 経尿道的手術は、尿道から内視鏡を挿入して治療を行います。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 139 1.00 1.00 0.00 78.23
 白内障は水晶体再建術(超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術)という方法で手術を行います。
 濁った水晶体を、超音波で細かく砕きながら吸い出し、水晶体のかわりに「眼内レンズ(人工のレンズ)」を挿入します。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 1 0.03
異なる 2 0.07
180010 敗血症 同一 6 0.21
異なる 8 0.28
180035 その他の真菌感染症 同一 2 0.07
異なる 2 0.07
180040 手術・処置等の合併症 同一 15 0.52
異なる 3 0.10
 臨床上ゼロにはなりえないものの、少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発生率を示したものです。
 播種性血管内凝固症候群は、何らかの原因によって血液が固まる力が強くなり、様々な場所で血液が凝固し血栓ができ、臓器不全等を引き起こしてしまうことがあります。
 敗血症は、感染症を起こしている場所から血液中に病原体が入り込み、重篤な全身の炎症性反応を伴います。
 手術・処置等の合併症は、主に術後の吻合部狭窄や術創部の出血によるものです。
更新履歴
2020/9/28
令和元年度の病院指標を公開しました。